母の日プレゼントCAFE

<1本の電話>母の日にまつわる深イイ話
『ずっとためになる。母の日プレゼントCAFE』

1本の電話

一本の電話

雨の降り続く1週間が続いた。
社会人2年目として一番忙しい1週間でもあった。

待ちに待った金曜日、念願の週末を迎えて、同期との女子会へ。

駅前での待ち合わせ。
強めの雨音がパラソルを打ち、先日8千円もかけたマニュキアに新たな水玉模様をつくりながらポツポツと垂れていく。

その水玉を眺めると、その先には母の好きな真っ赤なスイートピーが、ロータリーの花壇に我が物顔で咲き誇っていた。
母が、「こんな雨が続く日には家の中のこの子達にも水をあげましょう」、とリビングの観葉植物にあげていたのをふと思い出した。
それが雨の続く日の光景だった。

就職して上京し、実家の母に連絡を入れることはこの2年に数回、今年の正月から帰っていない。
初任給で何も渡してないまま。
照れ臭くていまさら恥ずかしい、というのが本音だ。

よし、今年の母の日にはプレゼントをしよう。
不器用な父が母の日に花をプレゼントするなんて微塵の期待も抱けないし、ぶっきらぼうな兄も同様。
その時、ふと旅好きの母の旅行癖が頭をよぎり、当日、家にいるのか父に聞いてみた。

電話を切った後、「何の確認の電話だったの?」といわんばかりの
眉間に皺をよせる母の顔を思い浮かびながら、何とも言えぬ幸福感に少し満たされた。

花屋さんのウェブサイトを眺めながら、母の好きな真っ赤なスイートピーの花束に決めた。

自分だけ高いマニキュアなんて贅沢しているのが少し恥ずかしくなり、
ここまで育ててくれた母のために勝手に何かを成し遂げたという達成感も勝手に味わえた。

その日、久しぶりに兄から電話があり、「お母さんの好きな花なんだっけ?」と…。
どうやら父から兄に電話があったようだ。
もしや、急に3つの花束をもらうことになるだろう母、その喜ぶだろう笑顔にさらなる幸せを感じた。

5月までのお愉しみか、来週も仕事を頑張ろう。

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