牡丹の花言葉は「王者の風格・富貴・高貴・壮麗・恥じらい」です。
牡丹の花はクジャクが羽を広げたような見事な花姿と顔の大きさほどもある大きな花が特徴的で、牡丹に含まれる成分は生薬として利用されています。
牡丹は古くから世界各地で栽培され、その花の美しさは特別で高貴なものとして扱われていました。
牡丹の自生地中国では、その花姿が他の花を圧倒するほど豪華で気品があることから「花王」「花神」とも呼ばれ、国花ともなっています。
牡丹の花の豪華さはシーボルトもこれぞ「皇帝の花」と賞美したほどで、流通の少なかったヨーロッパでは高嶺の花とされていました。
日本には弘法大師が奈良時代に中国から持ち帰り、その花の美しさから「立てば芍薬、座れば牡丹、揺れる姿は百合の花」と、女性の美しい姿や振る舞いの例えとして使われました。
牡丹は花の観賞価値だけではなく、植物が持つ薬効についても重宝されていました。
牡丹の学名はPaeonia (パエオニア)で、ギリシャ神話に登場する医の神「paeon(パイオン)」に由来します。
学名に花から受けるイメージではなく植物の持つ特性がつけられていることからも、牡丹は薬用としての価値が高かったことがわかります。
牡丹の魅力は詩人や文豪にも詠われていて、正岡子規や与謝蕪村、夏目漱石、森鴎外などの作品にも残されています。
正岡子規の「一輪の牡丹輝く病間かな」と言う詩には、豪華な花姿と自分の姿、医の神と呼ばれる薬効と自分の病気を照らし合わせ、いつしか牡丹のように輝ける未来が訪れるようにとの願いが込められているのかもしれません。
花言葉の「王者の風格」や「高貴」には豪華な花姿だけではなく薬用としての価値の高さも表されているのでしょう。
牡丹には花の時期や咲き方の違う「春牡丹」「寒牡丹」「冬牡丹」などがあります。
寒牡丹や冬牡丹は12~1月に、春牡丹は4~5月に豪華な花を咲かせます。
花の色は多彩で赤・赤紫・白・黄などがあり、咲き方も一重・八重・千重などとバリエーションも多くあります。
一般的な開花時期が春になることから、母の日の高価なフラワーギフトや春のお庭を彩るガーデニングの材料として人気があります。