お母さんに感謝の気持ちを伝える、「母の日」。日本だけの習慣だと思っている方も多いのではないでしょうか。何気なく毎年迎える母の日ですが、その由来には、とても素敵なエピソードがあるのです。今回は母の日の由来を知って、お母さんを敬う歴史を振り返ってみたいと思います!
☆母の日の始まりはアメリカから…?
母の日の歴史は、約100年以上昔にさかのぼります。1905年、アメリカのフィラデルフィアに住んでいた少女「アンナ・ジャービス」さんは、母の死に直面し、一生をかけて町の子供たちに尽くしてきた母親を敬う機会を設けようと働きかけました。この働きかけはアメリカ全土に広がり、1914年に当時の大統領ウィルソン氏が、5月の第2日曜日を「母の日」と制定、国を挙げての祝日となったのでした。一人の少女の行動が、やがてアメリカ全土に広がったのですね。他にも、古代ローマ時代にリーア(神々の母)に感謝する春まつりからとする説、17世紀のイギリスで「復活祭」の40日前の日曜日を「マザーズ・サンデー」として、出稼ぎ労働者たちを母の元へ帰らせていたことに由来しているという説もあります。
☆日本にはどうやって伝わったの?
日本に伝わったのは、明治末期ごろで、1915年に教会で母の日にちなんだ行事が行われてから、一般的にも広まっていき、1937年、森永製菓が告知したことで全国に広まりました。森永製菓によって設立された「母の日中央委員会」により、「母をたたえる歌」の募集が行われたり、「森永・母の日大会」が開催されたりするなど、母を敬うイベントが多く企画され、盛大に実行されました。当時は皇后誕生日であった3月6日を母の日と定めていましたが、戦後はアメリカにならい、5月の第2日曜日が母の日となりました。母の日を日本に広めたのは、森永製菓だったのですね!この森永製菓の素敵な活動のおかげで、母の日は日本全国で行われるようになりました。
☆最近の母の日は?
母の日発祥の地アメリカでも、私たちの住む日本でも、母の日を祝う習慣は根付いています。かつては、母の日といえば赤いカーネーションを贈るのが一般的でしたが、最近では、お母さんがもらって喜んでくれるものを贈る、形式にとらわれすぎないスタイルへと変化しました。しかし、母の日といわれて連想するものはやっぱりカーネーションで、こうして由来を知るとなおさら、昔から続く母の日の歴史を感じることができます。
1年に1度の素敵なイベント、「母の日」。その由来からも、母を大切に想う人々によって始まり、広がったことがわかります。お母さんを想う気持ちを伝える「母の日」は、これからも大切に守っていきたい、素敵な習慣ですね。